傘と長靴

雨の日を楽しくするファッションを紹介します。

イイダ傘店・秋の雨傘展示受注会

こんにちは。傘と長靴のukiです。

 

日傘の季節ですが、イイダ傘店のホームページでは、秋の雨傘展示受注会の日程が出ています。東京から順に京都・神戸・福岡会場で展示受注会があり、最後にホームページ上でも受注受付をしてくれます。

 

今年の春に作ったイイダ傘店の日傘を私はとても気に入っています。実はわき上がる傘欲に抗えず、とても気に入った「こもれび」というテキスタイルのものを色違いで購入してしまったのですが、どちらも色鮮やか。

 

ほら、ごらんくださいませ。

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イイダ傘店の傘は、テキスタイルから店主の飯田純久さんが作っています。「こもれび」の素材はシルクコットン。生地は薄いのですが、二枚重ねになっています。

 

綿・麻・絹は、繊維の内側に熱をためて傘の内側に熱を通さないといいます。なおかつ、繊維が二枚重ねになっていると、その間に空気の層ができるので、熱を遮断する効果があるそうです。

 

とはいえ、この暑さだと、正直なところ熱を遮ってくれているのかどうかよくわからない。。。でも、日差しが強ければ強いほど、この美しいテキスタイルからのぞく青空が美しく見えるのは確かです。

 

日傘で散財したばかりですが、雨傘の展示受注会にも行きたい。イイダ傘店の傘で次に欲しいのは、前にも記事にした動物手元の傘。

http://instagram.com/p/peEuoeR0l0/

イイダ傘店の動物手元の傘、また作ってくれないかな〜。

 

ただ残念ながら、この前スパイラルの展示会でスタッフさんが「動物手元の傘が出るのは、もう何年かしてから」とおっしゃっていたので、次の雨傘で動物手元が出てくる可能性はなさそうです。

 

でも、イイダ傘店の傘は、テキスタイルの美しさはもちろんのこと、手元や傘をとめるボタンなど細かいところまで、小技の利いた可愛さが魅力。東京は、まだ暑い8/30~9/7ですが、いそいそと展示会へ出かけていくことでしょう。

 

イイダ傘店のテキスタイルやパーツのいろいろが見られます。

 

 

 

ヴィクトリア朝の日傘(パラソル)

こんにちは。傘と長靴のukiです。

 

夏本番、日傘の季節です。日傘は近年、とてもいろいろなデザインが出てきて、傘売り場を見ているだけでも楽しい。

 

もちろん、紫外線や赤外線を通さないという機能面でも優れたものを求める流れが出ているので、もしかするとレースや薄い布地を使ったデザイン優先の日傘は、心惹かれつつちょっと敬遠される向きがあるかもしれません。

 

それに、レースがふりふりしていたり、フリルがひらひらしている日傘は、通勤着やカジュアルなファッションには合わせにくいとうことも否めませんしね。シンプルで実用的な日傘のほうが持ちやすいのは確かです。

 

でも、そもそも日傘=パラソルというものは、イギリスのヴィクトリア朝1830年代の後半ごろ、無蓋馬車(屋根のついていない馬車)の流行にともなって、馬車の中で差す傘として、つまり馬車に乗る身分であることを示す持ち物であったのです。実用性よりファッション性を重んじるものといえるでしょう。

 

イギリスでは、日傘が流行するようになる以前の18世紀頃、まず雨傘が雨よけとして使われるようになったのですが、当初、雨傘は馬車を持っていない身分の者が持つものとして見られ、上流階級には受け入れられていませんでした。

 

ただ19世紀初頭には雨傘は、実用的な雨よけとして男女・階級に関係なく受け入れられるようになっていたようです。

そこには、傘製造業者の技術革新により傘の軽量化やコンパクト化が実現されたことも関係したはずです。現在の我々にとって馴染深いカタチの傘を開発したのは、今でもよく知られるfox umbrellasでした。

 

実用的な持ち物であった雨傘(アンブレラ)の傘地は、黒が主流で、女性用には茶色や紺色のものもあったようですが、カラフルな雨傘というのは、19世紀いっぱい登場しませんでした。

 

いっぽうファッション性の強い日傘(パラソル)は、流行に合わせて、いろいろと変化したようです。色とりどりの布地を使ったものから、刺繍やレース、リボンなどで華やかに飾られたものなど多種多様。持ち手の部分も象牙や真珠母(!)などに凝った彫り物を施したものも少なくなかったとか。

 

↓小さくて可愛い日傘ですね!

http://instagram.com/p/rJmFGsx0si/

W.Pフリス <ダービーの日> 1858年 テイト・ギャラリー蔵

ヴィクトリアパラソルと呼ばれる小型の日傘をさして無蓋馬車に乗る上流婦人。

 

持ち手の部分については、雨傘も凝ったものが多かったようで、とくに裕福なご婦人は腕にかけられるような鉤状に曲った持ち手ではなく、手があいていることをアピールできるまっすぐな傘が好まれたそうです。

 

↓フォックスのこの傘、素敵だけどまっすぐな持ち手は使いにくいしなあ、と思っていましたが、やっぱりバッグや買い物袋などぶらさげて歩かねばならない私のような者が持つ傘ではなかったわけです(涙)。

 

↓今日の記事はこちらを参考にしました。ヴィクトリア朝で日常的に使われていたさまざまなモノや娯楽施設などが紹介されています。

 

 

 

耐風傘、Bluntで台風にそなえる

台風8号の上陸で日本全土で大雨や暴風が警戒されています。今も局地的に激しい雨が降っているようです。台風の多い日本では、一年に数回、強い風をともなう雨が降ってきます。繊細で美しい傘のなかには強風には弱い傘もありますから、台風の日に持つ傘が一本あると便利かも。

 

Bluntは、ニュージーランドのブランドです。耐風性能が高いテンション(張り)と、傘をひとふりするだけで水滴の多くを落とせる強力撥水力が特徴。機能的であることとセンスがよいことは両立するんですね。傘の露先が丸くなっているというのも可愛い。女性が持つなら、風に強いだけでなく、日光にも強いBlunt L

iteと小型で軽量なBlunt miniがよさそう。

 

Blunt Lite

全長:78cm

重さ:445g

遮光率99.99%以上、紫外線カット率99%以上




 

Blunt mini

全長 69cm
重さ 380g

marimekko(マリメッコ)の折りたたみ傘

折りたたみ傘を持ち歩く日が続いています。

降水確率50%以上で、雨が降るのは時間の問題・・・・・・そんな日は、開くのが楽しみになる折りたたみ傘を持って出かけませんか。お天気の悪い日こそ、ポジティブな気分になれるモノをお守りのように持って出かけましょう。

 

大きくてシンプルなカタチの花柄で知られる人気の北欧ブランド、マリメッコの折りたたみ傘は、傘を開くのが楽しみになるような素敵さ。ビビッドな赤やピンクというカラーを使いながら、子どもっぽくなりすぎないテイストは魅力です。柄物でも、たいていベースのカラーが一色なのも使いやすいところ。いつものファッションをパッと明るくする差し色としての効果を発揮します。バッグに入れてもかさばらないミニサイズです。小さくまとめる傘だとたたみにくかったりすることもあるのですが、バンドが太いのでまとめやすそう。

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以下に紹介する楽天ショップでは、2014.7.87/8(火 )11:59までお買い物マラソン実施中です。

↓こちらのショップは色々な柄が揃ってます。

 

↓1968年にアニカ・リマラがデザインを手がけた「Puketti」。扱っているショップが少ないです。

上のショップでも再入荷待ちになっています。しかもお得な値段に。 

 

↓黒白pukettiは大人気のようで、楽天で在庫ありのショップは見当たりません。

こちらでは予約販売を承っています。入荷は少し先。お値段は少し高めです。でも、黒白は予定の予約数まで残りわずか。お求めの方は急いで。

 

↓ベージュもマリメッコなら地味ではなく上品に。

こちらはあまり見かけないので、人とかぶることが少ないです。

 

 

 

日本野鳥の会、Bのロゴが可愛い長靴

こんばんは。傘と長靴のukiです。

 

東京は、今日も降りそで降らない一日で終わりました。

でも気象庁によれば、西日本と東日本の太平洋側では、これから4日にかけて雷を伴う大雨となる見込みとのこと。まだまだ全国的に大気が不安定な状態。大雨が予想されている日は、軽くて履きやすい長靴で出かけたほうがよいのかもしれません。


ここ1~2年のあいだに、ちょこちょこ見かけるようになった「B」のロゴがついた長靴をご存じですか。実はこれ、日本野鳥の会が出しているバードウォッチング用の長靴です。Birdの「B」が前についているのがポイント。ぬかるみでも行動しやすいバードウォッチング用の長靴なので歩きやすくて軽い。その上、シルエットもアウトドア用とは思えないスマートさ。この時期、リネンのスカートに合わせたりしても可愛いです。

 

↓足首が細い作りになっているので、サイズ表で足首、ふくらはぎの周囲を確かめてから購入したほうが◎。

↓やわらかいので、パッカブルレインブーツとしても使えます。旅行にも携帯可能。

↓履き口には、長さを調節できる紐が。

 

新しいめじろカラーが人気なようですが、日本野鳥の会のオンラインショップでも売り切れています。ただ、7月には新入荷の予定があるようです(2014.7.3現在)。

日本野鳥の会のオンラインショップはこちら↓

インターネットショップ Wild Bird

 

バードウォッチング長靴 メジロ

でも、タウンユースなら、ブラウンやグリーンも色合わせしやすそう。

【小説に描かれる傘】 太宰治の『女性徒』に出てくるアンブレラ

こんにちは。傘と長靴のukiです。

今日はよいお天気。梅雨の中休みですね。

 

雨宮まみさんの傘にまつわる短篇小説「失恋の残りもの」を読んでから、小説に出てくる傘が目につくようになってしまった私です。

 

つい最近、友達のお嬢さんが学校で太宰治研究をすることになったと聞き、中学生の娘さん、イコール女性徒という単純すぎる連想をして、太宰治の短篇小説『女性徒』を手に取りました。『女生徒』は素敵な短篇小説です。お父さんが亡くなり、お姉さんがお嫁に行き、今はお母さんと二人暮らしの女学生のある一日。

 

自分で縫った下着にこっそり白い薔薇の刺繍をさす女学生。誰にも見せるわけではないけれど、薔薇の刺繍を胸に抱いていることに得意になります。その気持ち、すごくわかるし可愛い! けれども、もう大人になりかけている女学生は、可愛いだけでもいられないのです。女学生の一日は、自意識と自分の中に芽生えてくる毒に振り回されて終わります。そして、本当の自分がよくわからないと嘆くのです。無理もない、女学生時代など遠い昔の私だって、まだ自分が何者なのかよくわからないのだから。女学生の感情はせわしなく動きます。自分を好きになったり、嫌いになったり、お母さんのことを恨めしくj思ったり、そのことを心の中でこっそり詫びてみたり。でも、夕焼けの美しい空を見ていると「みんなを愛したい」と思います。「美しく生きたい」とも願います。そんな女生徒が持つのはお母さんから譲り受けた傘。

 

ごはんをすまして、戸じまりして、登校。大丈夫、雨が降らないとは思うけれど、それでも、きのうお母さんから、もらったよき雨傘どうしても持って歩きたくて、そいつを携帯。このアンブレラは、お母さんが、昔、娘さん時代に使ったもの。面白い傘を見つけて、私は、少し得意。こんな傘を持って、パリイの下町を歩きたい。きっと、いまの戦争が終ったころ、こんな、夢を持ったような古風のアンブレラが流行するだろう。この傘には、ボンネット風の帽子が、きっと似合う。ピンクのすその長い、えりの大きく開いた着物に、黒い絹レエスで編んだ長い手袋をして、大きなつばの広い帽子には、美しい紫のすみれをつける。そうして深緑のころにパリイのレストランに昼食をしに行く。ものそうに軽く頬杖して、外を通る人の流れを見ていると、誰かが、そっと私の肩をたたく。急に音楽、薔薇のワルツ。ああ、おかしい、おかしい。現実は、この古ぼけた奇態な、のひょろ長い雨傘一本。

 

太宰治の『女性徒』が書かれたのは1939年、当時まだ和傘もあったでしょうが、洋傘も出てきていたはず。お母さんが娘時代に使った古風なアンブレラだと女学生が言っていますから、最新流行の傘というわけではないのでしょうが、毎日新聞のサイトから見つけてきた1920年代の洋傘が、今の時代の傘とそれほど変わらないようすを見るかぎり、その傘、今の私たちが見ても素敵だなあと思ったかもしれません。

 

毎日新聞のサイトにあった1924年(大正13年)撮影の写真

↓同じく毎日新聞のサイトにあった1926(昭和元)年撮影の写真

 

女学生は一日の終わりにこんなことを考えます。

 

明日もまた、同じ日が来るのだろう。幸福は一生、来ないのだ。それは、わかっている。けれども、きっと来る、あすは来る、と信じて寝るのがいいのでしょう。わざと、どさんと大きい音たてて蒲団にたおれる。ああ、いい気持だ。蒲団が冷いので、背中がほどよくひんやりして、ついうっとりなる。幸福は一夜おくれて来る。ぼんやり、そんな言葉を思い出す。幸福を待って待って、とうとう堪え切れずに家を飛び出してしまって、そのあくる日に、素晴らしい幸福の知らせが、捨てた家を訪れたが、もうおそかった。幸福は一夜おくれて来る。幸福は、――

 

 

そして眠りに落ちるときには、こうつぶやくのです。

 

おやすみなさい。私は、王子さまのいないシンデレラ姫。あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか? もう、ふたたびお目にかかりません。

 

あなたがお母様から譲り受けたのはどんな傘だったのですか? それを目印にすれば、東京の中で私はあなたとめぐり会えるのでしょうか。

 

 

皇室御用達、前原光榮商店の傘

こんばんは、傘と長靴のukiです。

2014年は、全国的に梅雨明けが遅れているようです。

7月に入ってもぐずつく天気が続きそうという予報。まだしばらくは傘の出番が待っているこういうときこそ、いつかは欲しいと思っている高級傘を買うよい機会かもしれません。

 

高級傘というと、細いシルエットが美しいFox umbrellas(フォックスアンブレラ)の名前が上がりますが、日本が誇る前原光栄商店の傘も上品な美しさがあります。皇室御用達の前原光栄商店の16本骨の傘は、開けば16本の骨によって描かれる円形が頭上に広がります。傘を閉じれば、16本の骨によってパーツ分けされた傘の生地が細やかなドレープを描きながらきゅっと中心にまとまります。

 

洗練されたシルエットやカタチが美しい傘は、あえて無地を選びたいと考えます。自分の好きな色や鮮やかな色を選ぶのもよいですが、紺や黒など、フォーマルにも使える傘を一本持っておけば、冠婚葬祭のときにも安心です。

 

慶弔事が雨天に重なる確率は決して高くはないかもしれません。ですから、そのために紺や黒などフォーマル用の傘を持つ必要はないと感じる人もいるでしょう。ただ、冠婚葬祭事のマナーやドレスコードをきちんとおさえておきながら、その日が雨天だったばかりに傘が場違いなものになってしまったら? 悔やんでも取り返しのつかない失敗です。

 

前原光栄商店の紺や黒の傘は、一生モノの傘となるでしょう。紺や黒の上質な傘を一本持っていること、それは何ごとにも動じない大人の女性のしるしです。また、紺や黒では地味で冴えないから普段持てないなどと結論づけるのは早計。シルエットの美しい傘は、紺や黒といった地味な色にこそ女らしい美しさがあります。普段のファッションに合わせたときにも、寡黙なはずの紺や黒が、あなたという人について多くを物語り、あなたの個性や隠れた美しさを引き出してくれることでしょう。

 

↓お受験を控えたお子さんを持つママならこちらを

 

↓美しいシルエットを際立たせる黒の傘

 

 

↓黒のジャガード織りは華やかさもあります

 

 

 

↓こちらは超軽量のカーボンを使った傘。16本骨なのに軽い!