傘と長靴

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雨宮まみさんの【新連載】失恋の残りもの―第一回「傘」がとてもよい

こんばんは。

傘と長靴のukiです。

 

昨日、岸本佐知子さんのエッセイで「傘運」について書かれた章について紹介しました。傘にまつわる想い出やエピソードって誰にでもひとつやふたつはあるように思います。そんな風に考えていたら、雨宮まみさんがマイナビニュースで始めた新連載『失恋の残りもの』の第一回「傘」を見つけました。

 

雨宮まみさんは、『女子をこじらせて』という自伝的エッセイを書いて、こじらせ女子という言葉を生んだ女性です。最近は『女の子よ銃を取れ』という本を上梓されています。amazonの内容紹介にある本文から抜粋した一文を読むと、ふいに泣きたくなります。老化を気にしつつ、でもアラフォーが美にこだわるのってイタイのかも・・・・・・そんな風に考えている自分をよしよししてあげたくなる感じ。

「美しくなりたい」と思う気持ちは、私の中では「自由になりたい」と、同義です。
社会の圧力から、常識から、偏見から、自分の劣等感から、思い込みから、自由になりたい。
いつでもどこでも、これが自分自身だと、全身でそう言いたい。
「美しくなりたい」とは、私にとってはそういう気持ちです。

 

 

そんな雨宮まみさんのマイナビニュース【新連載】第一回は、傘をなくしたりしない、何ごとにもきちんとしたしっかり者の可南子が主人公です。可南子は、恋人と別れた日、傘を地下鉄に忘れてきたことに気づきます。どこでどんな風に失くしたか、はっきり覚えているけれど可南子は自分を罰するように、お気に入りだったその傘を取りにいこうとはしませんでした。可南子は考えます。

 

「もしも、私が傘をうっかりどこかに忘れてくるような人間だったら、いまごろ、もっと違うふうにできていたのではないか。この人と一生ずっと一緒に生きていけるのか、なんてことを毎日、突き詰めて考えたりせずに、ぼんやり、なんとなく楽しいまま一緒にいられたのではないか」。

 

失恋から4年間、ビニール傘しか使わなかった可南子が、ある日一本の傘に出会います。

 

角を曲がったとき、真っ赤なものが目に飛び込んできた。小さな店のショーウインドウに、赤い傘が飾られていた。その傘は畳んだ状態できっちり巻かれていて、どういう仕組みなのか、巻かれた先が花束のようになっているのだった。

 

それは、イギリスの華やかで高価な傘。可南子は、その傘にひと目惚れしますが、「こんなもの失くしたら大変」と心の中でつぶやきます。でもその瞬間、自分が傘を失くしたりしない女だったことに思い当たるのです。可南子が、その真っ赤でとても目立つ傘とともに見つけたのは何だったのか。是非読んでみてください。

失恋の残りもの (1) 傘 | マイナビニュース

 

↓たぶん可南子が手に入れたイギリスの傘はこれ